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  • 古代ギリシャに自動ドア!?からくりの天才「ヘロン」

    2023.3.13カテゴリー: 知財の雑学特許ブログ

     

     

    こんにちは。

    乃木坂特許商標事務所、ブログ担当の「えびえび」です。

    「知財にもっと興味を持ってほしい」というコンセプトのもと、今回から知財の雑学シリーズを始めてみようと思います。

     

    第一回は、【知財の偉人】からくりの天才「ヘロン」

    古代ギリシャの技術者、物理学者、数学者。

    「ヘロンの公式」という文字を数学の教科書で見たことがあるい人もいるのではないでしょうか?

    今回はそのヘロンのお話をしていこうと思います。

     

    ヘロンの生まれはギリシャのアレクサンドリア

    ヘロンは古代ギリシャのアレクサンドリアにいたとされています

    数学者であり技術者だった彼は、平面図形や立体の面積や体積を求める「測量術」「幾何学」などの研究が知られています。

    力学や気体・蒸気の性質を応用した装置に関する著「機械学」、「気体学」などを書いています。

     

    ヘロンは自動ドアを発明していた

    ヘロンがいた時代は2000年以上昔にもかかわらず、彼はその時すでに自動扉の原型ともいえるものを発明していました。

    それがこちら。

    こちらは「神殿の自動ドア」といわれ、熱による空気の膨張を利用したものになっています。

    1. 燭台に火をつけると、祭壇とのつながっている中空の球の空気が膨張。
    2. 膨張した分だけ水がバケツに追い出され、バケツが重くなる。
    3. バケツが下に降りるにつれて、紐が引っ張られ柱が回転、連動して扉が開く。

    他にも、蒸気タービンや自動販売機の元祖となるものもヘロンが発明したといわれています。

     

    オートマタ(Automata)、からくり人形へ

    ヘロンが考案したからくりは、それ以降の自動装置に大きな影響を与えました。

     

    例えば十八世紀のヨーロッパでは「オートマタ(Automata)」と呼ばれる自動人形が流行していました。

    特に1801年にフランスのジョセフ・マリー・ジャカールが発明した、自動紋織機は重要です。

    これは、穴をあけたカードにより自動的に文様に合わせ、糸を選びながら追っていいく機械ですが、この方式を「パンチカードシステム」と呼びます。

    このパンチカードシステムは、のちに自動演奏ピアノ機械式計算機のアイデアにつながっていきます。

     

    また、日本にも「からくり人形」という伝統技術がありますよね。

    細川半蔵の書いた「機巧図彙(からくりずい)」には、様々なノウハウが書かれています。

     

    これらの原点はすべてヘロンの作品であるということになります。

     

    技術はロボットへと引き継がれる

    さらには、これらのオートマタ・からくり人形の延長は、現在の「ロボット」に引き継がれます。

    ちなみに、ロボットの語源は、チェコ語で強制労働を意味する「ロボータ」と、スロバキア語で労働者を意味する「ロボトニー」を合成したものだといわれています。

    ロボットの歴史をたどると、必ず「ヘロンの機械仕掛け」に行きつくのを考えると、ヘロンがいかにその後の発明に大きな影響を与えたのかがよくわかりますね。

     

    終わりに

    いずれにせよ、ヘロンの自動装置や欧州のオートマタ、日本のからくり人形は機械工学のさまざまな原理を駆使し、彫刻・絵画・服装などの職人芸をおりこみながら創意工夫の積み重ねで出来上がったものなのです。

    もしヘロンの時代に特許制度があったなら、ヘロンはそれはそれは大金持ちになったに違いありませんし、もっと多くのアイデアを生み出し、面白いものを後世に残していたでしょう。

     


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